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神様のいない世界
第4章 躾
ドアの前で身動きが取れずに居ると、振り返る宗高に腕を掴まれ引っ張り入れられ、その勢いで和穏は首を置いていかれるような衝撃にくらっとすると、そのまま宗高の裾を空いていた片手で掴んだ。


「おい」

「ッはい!!」


思わず掴んでしまったその手をすぐに離し、背の高い宗高を見上げるように返事をすれば、整った顔立ちの宗高に見入ってしまった。


綺麗な顔をしているのに、どうしてこうも威圧的なんだろう?
声?瞳?身長のせい?
きっとどれも正解ではあるが、それ以上にこの人の生い立ちなのだろう。

ヤクザ一家に生まれて育ったからだ。

私の事をヤクザの子供と言っていたけど、ヤクザの血が流れていても、私を育ててくれた家族は暖かかったから、私はこの人達とは絶対に違う。

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