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神様のいない世界
第4章 躾
なんで私がこんなにドキドキしなきゃなんないのよ!!


そう思うものの、ふわっと息が髪に触り、頭に手を乗せられているうちにうとうととし始め自然と目を瞑った。


そう言えば、良く泣く海をお母さんが抱っこをしていたな。
抱き上げて少し経つとすぐ泣き止んで……それを見ている私をお母さんは手招きして呼んでくれて、一緒に抱きしめてもらったんだ。
『お母さんの心臓の音、聴こえる?赤ちゃんはこれを聴くと安心してまた寝るのよ?』
『私もそうだった?』
『和穏は夜泣きも酷くてお父さんと交代しながら抱き上げてたわよ?』
そう言って笑ったんだ。
抱っこされてる海が羨ましかったけど、そう言って一緒に抱きしめられて、私も嬉しかった。

こんな事になるなんて思ってもいなくて、本当に幸せで……あの頃に戻りたいと思い出して胸が苦しくなった。
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