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第5章 出生

目が覚めた時には既に宗高の姿はなく、ベッドに座ったままぼーっとしていた。

なんだか体も頭も怠くて、動く気にもなれずにいた。

その時、ドアがノックされた。


「……和穏ちゃん、起きてる？」

「……政安君？」


ベッドから降りてゆっくりとドアを開けると、政安が洋服を持って立っていた。


「今、誰もいないから早くこれに着替えて？」


そう言って渡された服を手にとった。


「え？」

「今しか抜け出せるチャンスないよ！早く！！」

「うん」


和穏は政安にせかせれて、着替えると直ぐに部屋を出た。


「……本当に誰もいないの？」

「うん、なんかあったみたいでみんな出て行ったから……こっち！！」


政安に手を引かれ、周りを気にしながら2人で玄関へ向かった。