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神様のいない世界
第5章 出生
こんなに早く『その時』が来るとは思わなかった。でも、本当に逃げ出せるのだろうか?
和穏の心配もよそに、グイグイと引っ張る政安の手を力強く握っているのも事実で、無事に逃げられることを祈りながら足を進めた。
「和穏ちゃんの靴も何もないから、俺の履いて」
そう出されたスニーカーに足を入れ、少しぶかぶかな靴に、私と同じくらいの身長の政安も男の子なんだと思わされた。
ゆっくりとドアを開け、左右を確認した政安に手を引かれエレベーターホールに出ると、非常階段に向かって全速力で走り階段を駆け下りた。
数日ぶりにマンションの部屋を向け出した和穏は、必死に政安の後を追うのだが、ふと疑問が浮かぶ。
「政安君、どこに逃げるの?」
「会わせたい人がいるんだ、大丈夫、着いてきて!!」
「うん」
そう返事をするしかない和穏は、言われるまま階段を降りて外へと出た。
和穏の心配もよそに、グイグイと引っ張る政安の手を力強く握っているのも事実で、無事に逃げられることを祈りながら足を進めた。
「和穏ちゃんの靴も何もないから、俺の履いて」
そう出されたスニーカーに足を入れ、少しぶかぶかな靴に、私と同じくらいの身長の政安も男の子なんだと思わされた。
ゆっくりとドアを開け、左右を確認した政安に手を引かれエレベーターホールに出ると、非常階段に向かって全速力で走り階段を駆け下りた。
数日ぶりにマンションの部屋を向け出した和穏は、必死に政安の後を追うのだが、ふと疑問が浮かぶ。
「政安君、どこに逃げるの?」
「会わせたい人がいるんだ、大丈夫、着いてきて!!」
「うん」
そう返事をするしかない和穏は、言われるまま階段を降りて外へと出た。