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第5章 出生

「ただいま」

「あら、どうしたの？急に戻ってきて」


政安君のお母さんだ。
でも、違和感がある。
政安君が戻って来たのに……じゃあ、政安君は私のように拉致されたわけでもなく、監禁されてたわけでもないの？


「……その子……」


和穏と目が合うと酷く驚いているようで、そう言った女性に頭を下げた。


「和穏ちゃんだよ、会いたがってたでしょ？」


私を知ってる人？


「……あのっ、私を……知ってるんですか？」


始めて見たその人に和穏がそういうのは当たり前のことで、その女性はふと政安に視線を動かした。


「……上がって」


そう言って政安に背中を押されて中に入り、リビングに通されソファーに座わった。