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第5章 出生

お母さんと海は私が逃げ出しても無事でいられるのだろうか……と。


1時間以上走った後、政安が運転手に細かく指示をし始めると目的地が近いのだと和穏は緊張し始めた。


会わせたい人とは誰なんだろう？
私達を匿ってくれる人なのだろうけど、政安君の知り合いをあの人たちが知らないとは思えないし、でも、祈るしかない。


そう思いながら着いた先はアパートだった。


新築ではないがまだ新しいアパートで、和穏達家族が住んでいた古いアパートとは全く違っていた。


「こっち」


会計を済ませた政安に手を引かれ2階へと上がると、政安はドアの鍵を開けた。


なんで鍵なんか持ってるんだろう。


和穏の疑問はドアを開けた先にいた一人の女の人を見ると、政安に何処か似ている事に気付き理解した。