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神様のいない世界
第5章 出生
じっと見つめる和穏の前にお茶が出され、向かい合わせに座った。


「政安から何も聞いて無いの?」

「何をですか?」


疑問と不信だらけの和穏が眉間にシワを寄せると、女性にくすりと笑った。


「本当そっくりね……そっくり過ぎて虫唾が走るわ」


笑ったかと思えば低い声で睨みながら和穏に言った。


私に会いたかったわけではないんだろう。
間違いなく、憎まれている。


そう感じた和穏は息を飲んだ。


「誰にそっくりなんですか?」

「あなたの母親よ」

「お母さん?」

「そう、でもあなたを育てた真由ちゃんじゃないわよ?生みの親の方ね」


その言葉に唖然とした。
何を言ってるんだろうか、この人は。

お父さんが本当のお父さんじゃないと聞いても信じられないのに、お母さんまで違うって?

じゃぁ、そもそも
私は沢口って言う人の子供じゃないんじゃないの?
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