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第5章 出生

ハッとして見上げると、それは相田だった。


デジャヴ……?


「てめぇ……」


凄む相田に和穏はそのままもたれかかるように脱力し膝から崩れ落ちるように座り込むと、強い力で掴み上げられた。


「逃げられると思ってんのか？ほら立て」


力が上手く入らない和穏を引きずり出すと、相田は中にいる政安の母親を睨んだ。


「あんたが政安の母親だろうと、組長の元愛人だろうと、こいつを匿う事は見逃せない」

「っその子は政安が勝手に連れて来たのよ、私には関係のないことよ！！」

「事情は後でしっかり追求してやるからおとなしく待ってろ」


相田はそう言ってドアを閉めた。

組長の愛人？
じゃぁ、本当は政安君が沢口の息子なんじゃないの？

私を身代わりにしたてたんじゃ……