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第5章 出生

政安君の母親が私の本当の母親の妹というのなら、この人は私のおばさんであり、政安君は従兄弟。


「嘘だ」

「そっくりでしょ？」

「嘘だ、私のお母さんは……」

「真由ちゃんじゃないわよ」


追い討ちにように言う政安の母親を睨むものの、真っ直ぐ見つめられてやはりそれが真実なんだと思うと、和穏の瞳に涙が滲んだ。


「あなたを置いて出て行ったのは、あなたが本当の娘じゃないからよ。公平さんが亡くなったのも何もかもあなたとあなたの母親のせいよ？」


置いて出て行った……
お父さんが死んだのは私のせい……


和穏はゆっくりと立ち上がり、玄関へと無言で向かった。


頭が痛い。
気持ちが悪い。

フラフラしながらもたつく足をスニーカーに伸ばし、ドアノブに手を掛けるとドアが勢い良く開き、目の前人の胸に頭を預ける形になった。