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第5章 出生

「着いたぞ、起きろ」


相田が和穏に声を掛けるが返事はなく、息切れをしていた。


「おい」

「相田さん、どうしました？」


善は後部座席のドアを開けて外で待っていたが、覗き見ると和穏の荒い呼吸にさっと手を伸ばしおでこを触った。


「熱ありますよ！！」

「善、抱き上げて部屋まで連れてけ」

「はい」


善がそう返事をすると、ぐったりした和穏を横抱きに抱えて車から降ろした。

相田は政安の胸ぐらを掴み引っ張りながら、エレベーターに乗り最上階に着きドアが開くと三浦が出迎えた。


「善！！」

「熱出てるみたいで、車の中でぐったりしてたんです」


驚く三浦に善は和穏を差し出すと、三浦は額に手を当て直ぐに抱き留めた。