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第5章 出生

寝室のドアを乱暴に開けて、入って行った宗高は強くドアを閉め、けたたましい音を立てていた。

無反応の和穏の横に立ち見下ろしているが、その顔を見ているだけでもふつふつと怒りがこみ上げてきていた。


政安とは何もないと言っていたはずの和穏が、二人で逃げ出したことが許せないのだ。


布団を掛けベッドに横たわる和穏の胸ぐらを掴み上げると、思いっきり平手打ちをした。

朦朧としていた和穏だったが、流石に目を開け視線がなかなか定まらなかったのだが、やっと視界が開けるとそこには酷く怒っている宗高がいた。


また戻ってきてしまったんだ。
もう、二度と逃げ出せないんだろうな。


ただそう思って宗高を見つめていた。