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第6章 関係

宮川が目にした男は山城組の縄張りである地域にあったクラブのボーイをしていた山根という男だった。

組の下っ端構成員だったのだが、店の女に手を出したと追い出した男なのだ。


写真に映る娘が沢口基明の娘なのかは調べ出せば辻褄が合うものだった。


写真に写っていた女は沢口組の管轄のクラブで働いていたが、突然辞めて地方の小料理屋の仲居をして山根と知り合っていた。

その当時、沢口が女を探していると耳にしていたが、それがその女なのだと推測すれば写真に映る少女が沢口の娘でもおかしくない。

そして、養女として戸籍に入っているのは山根との婚姻のせいだとすれば何の疑問もないのだ。

書類や経歴から探れば事実のように見えるそれを確認すべく山根を探し出し問い詰めると、逃げ出した山根が事故に遭い死亡し、自宅を突き止め見張り出せば息子を連れて母親は姿を消したのだ。