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神様のいない世界
第6章 関係
「……お前を不幸のどん底に追い込んだのはこの俺なんだぞ?」


和隠の頭を優しく撫でながらそう言って強く抱き寄せた宗高を見た三浦はそっと寝室を出て行った。


「どうしたんですか?三浦さんが優しい表情をしてるの、初めて見ましたよ」

「……善、余計なこと考えるな」


善の言葉に我に返った三浦は、直ぐに表情を戻した。


三浦は宗高が和隠の存在のおかげで変わっていくのが嬉しかったのだ。

極道に女は弱みにしかならないが、組以外に守りたいものが出来るのは、人として悪いことだとは思わない三浦は、これまでの宗高の女の扱いを考えるとほんの数日でここまで変えられる和隠を少なからずかっている。

沢口組を手にする手駒として和隠を捕らえていたが、大切な人として扱う様になれれば、無駄な血は流れないはずだと思った。
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