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神様のいない世界
第7章 変化
善は触れてはいけない話題に触れたんだと言葉をなくした。


「もうよくわかんないよ」


そういう和隠の頭に手を置いた。

重みのあるその手に和隠は首を竦めて善を見上げると、悲しそうな表情で笑顔を見せていたので、苦笑した。


「ごめんね?私の親の文句、善に言っても仕方ないのに」

「そりゃ仕方ないことだけど、話して楽になるなら……」

「聞いてくれるってこと?」

「……若に聞いてもらえ」

「はぁ?また若かよ。あの人に話したって聞いてくれるわけないじゃん!!」


くるっと背を向けてソファーに座る和隠に小さくため息をついた。

宗高を差し置いてこれ以上和隠の本音を聞くのは、良いことではないと察したのだ。

懐かれることが嫌なわけではないが、宗高が気に入ってそばに置いている和隠が宗高よりも自分に心を開いては、宗高が和隠のそばに自分を置いている意味がなくなると思ったのだ。
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