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第9章 新事実

「生きてるのかどうかも……か」


宗高が鼻で笑うと、三浦も肩を落とした。

咲江を捕まえたのは沢口組の奴らに違いは無い。組長の愛人が逃げ出したのなら躍起になって探し回るだろうし、逃げた理由次第では殺されてもおかしくはない。

その上、和隠を今まで誰にもしられずに育てて来られたということは、咲江は娘を産んだことを沢口に伝えてはいないのだ。

噂が広まるほど、探し回った女と自分の間に娘がいた事を知らずに17年も生きてきたのだから哀れだと、宗高は思った。


「和隠さんに、どう伝えるんですか？」

「聞きたい事を答えるまでだ」


三浦の問いに即答した宗高は立ち上がり、事務所を後にする。


「若頭」


部屋を出たところで相田が宗高を呼び止めた。