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神様のいない世界
第10章 事件
そう言った善だったが、和隠につられて苦笑した。
宗高の車の後部座席には、善の血がおびただしく付着していて、そこに乗り込んだ和隠は息を詰まらせた。
善の舎弟が車を動かすと、善はため息を吐いた。
「シート張替えだなぁ……革張り……」
善は治療費を宗高が出してくれると言っていたが、車のシート代まで出させられないと出費にげんなりしていたのだ。
「俺が!!」
「お前が払える額じゃねぇよ」
舎弟の言葉を切って捨てた善に、ちょっとだけ男らしさを感じた和隠は善の腕を掴んだ。
「おっう、いきなりなんだよ」
「早く治るように、美味しいもの作るからね?」
「……あぁ」
気合の入った和隠に、一瞬驚いた善は苦笑しながら返事をした。
その車中に和隠は気になって、モグリの医者について話をしたり、後継者と言っていた榊の話を聞いた。
宗高の車の後部座席には、善の血がおびただしく付着していて、そこに乗り込んだ和隠は息を詰まらせた。
善の舎弟が車を動かすと、善はため息を吐いた。
「シート張替えだなぁ……革張り……」
善は治療費を宗高が出してくれると言っていたが、車のシート代まで出させられないと出費にげんなりしていたのだ。
「俺が!!」
「お前が払える額じゃねぇよ」
舎弟の言葉を切って捨てた善に、ちょっとだけ男らしさを感じた和隠は善の腕を掴んだ。
「おっう、いきなりなんだよ」
「早く治るように、美味しいもの作るからね?」
「……あぁ」
気合の入った和隠に、一瞬驚いた善は苦笑しながら返事をした。
その車中に和隠は気になって、モグリの医者について話をしたり、後継者と言っていた榊の話を聞いた。