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―不還―
第7章 暗闇の中…一筋の安寧 1
エレンはリヴァイの頬から手を離すと、
両手で肩を掴んでゆっくりと彼の身体を抱き寄せた。

「す、すみませんいきなり」

「……」

「昔子供の頃にミカサが…両親を失った後たまに
夜中震えていた事があるんです」

「泣いてる時もありました…そういう時俺はアイツが眠るまで
手を握ったり肩を抱き寄せたりしていた事があるんです」

抱き寄せる腕に少し力が入る。

「すみません、俺こういうやり方しか思いつかなくて……」


長く味わってなかった人肌の温もりに、
その心地良さに、リヴァイはゆっくりと目を閉じた。
そのままエレンの肩にポフリと顔を埋める。
そして両手をそっとエレンの背中に添えた。

…この状況に嫌悪しない自分にリヴァイは不思議でならなかった。





トクン…トクン……




脈打つ二人の心臓の音が重なり合う。
震えが少しずつ治まっていくのを、
リヴァイもエレンも感じ取っていた。
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