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―不還―
第8章 暗闇の中…一筋の安寧 2
部屋に戻りランプを消し、ベッドに転がってからも
ついさっきの出来事がエレンの頭から離れないままだった。

「俺…一体どうしたんだ…」

そう呟きながら壁際に寝返りをうって、
軽い睡魔の訪れと共にこの不思議な感情を色々考える。

コツンと石造りの壁に頭をぶつけてみる。
おでこに冷たくて固い感覚と軽い痛みが走る。
本当はもっと強く何度も打ち付けたくなる衝動にかられたが、
それはさすがにやめておいた。

身体が巨人化して感情までおかしくなったのか…?!
あの人に気持ち悪いと思われてしまうじゃないか…
エレンはシーツをひっぱって中に潜り込んだ。

ミカサに対して…こんな感情は湧き上がってきた事はない。
アルミンは…?!……もちろん無い。
二人はとても大事な存在だがこんな感情は持った事がない。
ならジャンは?ライナーは?
思いつく仲間たちを浮かべてみても無駄でしかなかった。


寝よう、寝たらきっといつもの俺に戻ってる…
気持ちの収集がつかないまま、眠りへと落ちていった。
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