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―不還―
第8章 暗闇の中…一筋の安寧 2
エレンは両手でティーカップを握りしめ、
俯いて紅茶に映る歪んだ自分の顔を見つめていた。
自分を救出する時に負ってしまった怪我……。
結局は自分のせいで何もかも滅茶苦茶にしてしまっているような、
そんな気がしてまた罪悪感を感じてしまう。
カタンッとカップを置き、
右手で頬杖をついたリヴァイが口を開いた。
「エレンよ」
「…はい」
「俺の怪我にしても、昨晩の事にしても、おまえが気に病む事は無い。
すべては俺自身が招いた事だ」
正面から見据える瞳。
鋭く何事にも揺るがない真っ直ぐな瞳。
でも…と反論しようとしたがエレンは何も言えなかった。
何かしら自分のもやもやしている様子が、
リヴァイから見ればお見通しだったのだろう。
あまりにも彼が真っ直ぐに自分を見るものだから、
胸の奥がチクリとして目線をまた紅茶に落とす。
昨晩の自分は随分と大人びていたと客観的に思った。
逆にリヴァイの方が少年のように思えた。
苦しんでいるあの人をとにかく安心させたかった。
…でも普段はやはりこの人には敵わない。
当たり前の事なのに改めて思い知らされる。
俺はまだガキで…兵長は大人で……。
「俺…早く大人になりたいです」
「生き急ぐ必要はないだろう」
「…いや、死に急ぎ野郎だったか」
フッと少し鼻でリヴァイが笑ったような感じがした。
顔を上げると彼はまだこっちを見ていた。
今度はエレンも目線を離さず、
その大きな瞳で真っ直ぐにリヴァイの目を見る。
お互いそれ以上は何も語らず、目も逸らさず……
俯いて紅茶に映る歪んだ自分の顔を見つめていた。
自分を救出する時に負ってしまった怪我……。
結局は自分のせいで何もかも滅茶苦茶にしてしまっているような、
そんな気がしてまた罪悪感を感じてしまう。
カタンッとカップを置き、
右手で頬杖をついたリヴァイが口を開いた。
「エレンよ」
「…はい」
「俺の怪我にしても、昨晩の事にしても、おまえが気に病む事は無い。
すべては俺自身が招いた事だ」
正面から見据える瞳。
鋭く何事にも揺るがない真っ直ぐな瞳。
でも…と反論しようとしたがエレンは何も言えなかった。
何かしら自分のもやもやしている様子が、
リヴァイから見ればお見通しだったのだろう。
あまりにも彼が真っ直ぐに自分を見るものだから、
胸の奥がチクリとして目線をまた紅茶に落とす。
昨晩の自分は随分と大人びていたと客観的に思った。
逆にリヴァイの方が少年のように思えた。
苦しんでいるあの人をとにかく安心させたかった。
…でも普段はやはりこの人には敵わない。
当たり前の事なのに改めて思い知らされる。
俺はまだガキで…兵長は大人で……。
「俺…早く大人になりたいです」
「生き急ぐ必要はないだろう」
「…いや、死に急ぎ野郎だったか」
フッと少し鼻でリヴァイが笑ったような感じがした。
顔を上げると彼はまだこっちを見ていた。
今度はエレンも目線を離さず、
その大きな瞳で真っ直ぐにリヴァイの目を見る。
お互いそれ以上は何も語らず、目も逸らさず……