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―不還―
第8章 暗闇の中…一筋の安寧 2
ティーポットから紅茶をゆっくりと注ぐ。
湯気と共に優しい茶葉の香りが鼻腔をくすぐった。
トレーにティーカップを二つ乗せてテーブルに運ぶ。

リヴァイは窓際にもたれ掛かり外を眺めていた。
視線の先はあまり定まっているようには見えなかった。
昨晩のリヴァイを見たせいか、作業などの肉体的疲労だけではない
何かを少し感じてしまう。

「兵長、紅茶ここ置いときますよ」

窓際に近い場所にリヴァイのティーカップを置いた。
反対側の席に自分のカップを置き腰掛ける。

「今日の晩飯はハンジさんが差し入れに来るそうですよ」

「そうか…騒がしくなりそうだな」

「団長はお偉方と食事だそうで、今日戻るかわからないそうです」

「そうだったな…」

そう呟くとリヴァイは窓際から離れ、椅子に座りカップを手にした。

「足…その、痛めた足の具合はどうですか?」

「あぁ、普通に歩行する分には今の所問題ない」

「そうですか…」
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