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マスター・ナオキの怪店日記
第14章 今宵もグラスを傾けて
尚樹の目からも涙の粒が落ちる。
その時、頭の上の方から何かが聞こえた気がした。誰かがなにかを言っているような。
そしてその言葉らしきものが尚樹の口を使って長澤夫妻に向けられた。
「ここに来れば会えるでしょう?いつでも呼んでください」
信彦も照美も、そして声に出した尚樹までもが驚きに目を開く。
その声は、信一の声だった。
三人は反射的に天井を見上げる。きっと信一だ。信一の仕業だ・・
「そうですよ、ここで待ち合わせてください」
バー・タイニーキャッスルは、霊がやって来る店。心置きなく待ち合わせて、心ゆくまでおしゃべりに花を咲かせてください。
尚樹が声に出さずに語り掛けると、信彦と照美に笑顔が戻ってきた。
「ビールでいいですね?」
グラスにビールを注ぎながら、ふいに尚樹は思った。この店が霊の御用達になったのは、偶然なのか、それとも必然だったのか。
まあいい。どちらにしろ、すでにそういう店になってしまったのだから。
久しぶりに長澤夫妻がグラスを合わせる音を聞く。美味しそうに目を細め喉を上下させる二人の姿を見る事が、こんなにも嬉しく思えるなんて。
話は・・ゆっくりでいい。
尚樹もグラスにビールを注ぎ、今度は三人でグラスを合わせた。
その時、頭の上の方から何かが聞こえた気がした。誰かがなにかを言っているような。
そしてその言葉らしきものが尚樹の口を使って長澤夫妻に向けられた。
「ここに来れば会えるでしょう?いつでも呼んでください」
信彦も照美も、そして声に出した尚樹までもが驚きに目を開く。
その声は、信一の声だった。
三人は反射的に天井を見上げる。きっと信一だ。信一の仕業だ・・
「そうですよ、ここで待ち合わせてください」
バー・タイニーキャッスルは、霊がやって来る店。心置きなく待ち合わせて、心ゆくまでおしゃべりに花を咲かせてください。
尚樹が声に出さずに語り掛けると、信彦と照美に笑顔が戻ってきた。
「ビールでいいですね?」
グラスにビールを注ぎながら、ふいに尚樹は思った。この店が霊の御用達になったのは、偶然なのか、それとも必然だったのか。
まあいい。どちらにしろ、すでにそういう店になってしまったのだから。
久しぶりに長澤夫妻がグラスを合わせる音を聞く。美味しそうに目を細め喉を上下させる二人の姿を見る事が、こんなにも嬉しく思えるなんて。
話は・・ゆっくりでいい。
尚樹もグラスにビールを注ぎ、今度は三人でグラスを合わせた。