パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第3章 新天地を求めて

　ここは大人が集まる店。知らない者同士が心を吐露することもあるし、逆に黙ってそっと話を飲み込みやり過ごすこともある。
　尚樹とゴリさんの対応に、長澤夫妻は静かな息とともにかすかに頭を下げた。
「まあ、ここは都会のようで田舎な町だよ。でも便利な場所でもあるから、隠居生活を思いっきり楽しんでくださいよ。こうやって常連になった店だってあるんだしね」
　俺からのおごり、とゴリさんから長澤夫妻にとビールを注文され、さっそくグラスにビールを満たす。
信彦、照美の前にビールを置いてからゴリさんの前にもビールを置く。
　不思議そうに尚樹の顔を見るゴリさんに、これは俺から、と粋な計らいをする尚樹。
　信彦、照美、そしてゴリさんがグラスを合わせる姿を見ながら尚樹は、今夜もいい時間が過ごせていることに喜びを感じていた。