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マスター・ナオキの怪店日記
第3章 新天地を求めて
なるほどねえ、とゴリさんが大きく肯く。尚樹も簡単に想像できたらしく、肩をすくめながら小刻みに肯いて見せた。
その尚樹の肯きを見ながらゴリさんが、ハタと気づいて長澤夫妻のほうへ振り向いた。
「だったら鎌倉とか茅ヶ崎とかのほうがより海を感じられるんじゃない?朝の浜辺を散歩だとかさ」
確かにゴリさんの言う通りだと尚樹も思った。
その通りだよと夫妻の顔を交互に見ると、急に二人は肩に力を入れた、ように見えた。
なんだかその意見を拒むかのように。
するととっさに照美の方が、「あっちは・・方角がちょっと・・」
そう言って信彦の横顔に視線を送った。
え?と小さく呟いた尚樹のほうに顔は向けるものの、信彦は目を合わせようとはせず口元だけで笑った。それも薄く。まるでなにか事情がありそうな、そんな素振りにも感じた尚樹だったが、客商売をしているとみなそれぞれに事情を抱えているらしいと垣間見える場面に遭遇するので、彼らもきっと訳があるのだと、それ以上突っ込んで反応することは止めておいた。
それはゴリさんも同様だった。
その尚樹の肯きを見ながらゴリさんが、ハタと気づいて長澤夫妻のほうへ振り向いた。
「だったら鎌倉とか茅ヶ崎とかのほうがより海を感じられるんじゃない?朝の浜辺を散歩だとかさ」
確かにゴリさんの言う通りだと尚樹も思った。
その通りだよと夫妻の顔を交互に見ると、急に二人は肩に力を入れた、ように見えた。
なんだかその意見を拒むかのように。
するととっさに照美の方が、「あっちは・・方角がちょっと・・」
そう言って信彦の横顔に視線を送った。
え?と小さく呟いた尚樹のほうに顔は向けるものの、信彦は目を合わせようとはせず口元だけで笑った。それも薄く。まるでなにか事情がありそうな、そんな素振りにも感じた尚樹だったが、客商売をしているとみなそれぞれに事情を抱えているらしいと垣間見える場面に遭遇するので、彼らもきっと訳があるのだと、それ以上突っ込んで反応することは止めておいた。
それはゴリさんも同様だった。