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マスター・ナオキの怪店日記
第6章 路地裏で会った男、来店
「いらっしゃい」
反射的にドアに顔を向ける。だけど不思議なことに、客はもうカウンター席に座っていた。
・・え?今ドアが開いたばかりじゃなかったか?もう座っているなんてすごく・・動きが早くねえか?・・
とにかく、やっと客が入ってくれたので、尚樹はさっそく客の前にコースターを置いた。
「いらっしゃい。何をお飲みになります?」
席に着いていた男は、尚樹の顔をじっと見てからウィスキーをと、ぼそりとした声で注文した。
「ウィスキーは、どの銘柄にしますか?」
男はまたしてもぼそりとした声で、マスターにお任せします、と小さく頭を下げた。
初めての客にお任せと言われるとどうしても、迷って一呼吸おいてしまう。
酒瓶の並ぶ背後の棚を振り返ろうとした時、たまたまカウンターの内側に置いてあった白州が目に入った。お、これにするか、と瓶を手に取り客にラベルを見せる。客はにんまりと笑い、大きく肯いた。
反射的にドアに顔を向ける。だけど不思議なことに、客はもうカウンター席に座っていた。
・・え?今ドアが開いたばかりじゃなかったか?もう座っているなんてすごく・・動きが早くねえか?・・
とにかく、やっと客が入ってくれたので、尚樹はさっそく客の前にコースターを置いた。
「いらっしゃい。何をお飲みになります?」
席に着いていた男は、尚樹の顔をじっと見てからウィスキーをと、ぼそりとした声で注文した。
「ウィスキーは、どの銘柄にしますか?」
男はまたしてもぼそりとした声で、マスターにお任せします、と小さく頭を下げた。
初めての客にお任せと言われるとどうしても、迷って一呼吸おいてしまう。
酒瓶の並ぶ背後の棚を振り返ろうとした時、たまたまカウンターの内側に置いてあった白州が目に入った。お、これにするか、と瓶を手に取り客にラベルを見せる。客はにんまりと笑い、大きく肯いた。