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マスター・ナオキの怪店日記
第6章 路地裏で会った男、来店

「私が一番好きな酒だよ。さすが、噂通りのマスターだね。水割りで頼むよ」
偶然、たまたま、そんな酒を手に取ったら客の好みのものだった。おまけに、普段はちゃんと棚に並べてあるはずなのに流しの横に置きっぱなしていたとは。
「お待たせしました、白州の水割りです」
目の前のグラスを愛おしそうに眺めてから男は、ゆっくりと水割りを口に含む。
「久しぶりに飲めた・・」
男は尚樹と目を合わせてから、この上ない幸せでも感じているかのような満面の笑みを浮かべた。
「禁酒でもされていたんですか?」
尚樹の何気ない言葉に、男は背中を逸らして大笑いした。禁酒か、そりゃいい、と笑いながらグラスを宙に掲げた。
「あ、すいません、余計な事を言ってしまいましたかね」
ペコペコと頭を下げる尚樹の動きを、男は手で制止するように合図した。
「似た様なもんだよ。飲みたいと思っていても飲めないって状態だったからね・・飲みたくても体が無いんだから、どうやったって飲めないやね」
偶然、たまたま、そんな酒を手に取ったら客の好みのものだった。おまけに、普段はちゃんと棚に並べてあるはずなのに流しの横に置きっぱなしていたとは。
「お待たせしました、白州の水割りです」
目の前のグラスを愛おしそうに眺めてから男は、ゆっくりと水割りを口に含む。
「久しぶりに飲めた・・」
男は尚樹と目を合わせてから、この上ない幸せでも感じているかのような満面の笑みを浮かべた。
「禁酒でもされていたんですか?」
尚樹の何気ない言葉に、男は背中を逸らして大笑いした。禁酒か、そりゃいい、と笑いながらグラスを宙に掲げた。
「あ、すいません、余計な事を言ってしまいましたかね」
ペコペコと頭を下げる尚樹の動きを、男は手で制止するように合図した。
「似た様なもんだよ。飲みたいと思っていても飲めないって状態だったからね・・飲みたくても体が無いんだから、どうやったって飲めないやね」

