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マスター・ナオキの怪店日記
第7章 長澤夫妻の告白
「すいません、忙しい時間なのに」
いつもの見慣れた店内に入ったところで、カウンターの上に並べてある食材や洗ったばかりらしい食器の山を見た信彦が、少し肩を落として侘びた。
「いえ大丈夫ですよ。全然問題ないです。それよりもお二人の深刻そうな顔の方が気になっちゃいます。何かあったんじゃないですか?開店前だってわかっていても俺に何か話したくて来てくれたんでしょう?遠慮なくしゃべってくださいよ」
尚樹はテーブル席を二人に勧めた。開店準備をしながらではなく、面と向かって話を聞きたいと思ったからだ。
尚樹を前にして、まずは照美が口を開いた。
「昨夜なんですが・・」
昨夜、というワードに尚樹の背筋がピクリと痙攣した。
「昨夜、お客さんが引けた後に一人の男性がやってきたと思うんですが」
「ええ、いらっしゃいました」
平静を装っているつもりの尚樹だったが、鼓動が早くなっていくのを抑えることはできなかった。
昨夜の男のこともそうだが、なぜその事を照美が知っているのか、それ自体が尚樹の心臓に刺激を与えているのだ。
「その男性、ちょっと理解しがたい事を言っていたんじゃないですか?」
いつもの見慣れた店内に入ったところで、カウンターの上に並べてある食材や洗ったばかりらしい食器の山を見た信彦が、少し肩を落として侘びた。
「いえ大丈夫ですよ。全然問題ないです。それよりもお二人の深刻そうな顔の方が気になっちゃいます。何かあったんじゃないですか?開店前だってわかっていても俺に何か話したくて来てくれたんでしょう?遠慮なくしゃべってくださいよ」
尚樹はテーブル席を二人に勧めた。開店準備をしながらではなく、面と向かって話を聞きたいと思ったからだ。
尚樹を前にして、まずは照美が口を開いた。
「昨夜なんですが・・」
昨夜、というワードに尚樹の背筋がピクリと痙攣した。
「昨夜、お客さんが引けた後に一人の男性がやってきたと思うんですが」
「ええ、いらっしゃいました」
平静を装っているつもりの尚樹だったが、鼓動が早くなっていくのを抑えることはできなかった。
昨夜の男のこともそうだが、なぜその事を照美が知っているのか、それ自体が尚樹の心臓に刺激を与えているのだ。
「その男性、ちょっと理解しがたい事を言っていたんじゃないですか?」