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マスター・ナオキの怪店日記
第9章 霊のお告げ
「そうそう、マスターが急逝してね。たしか・・ムーンライトって言ったっけなあ。いい店だったみたいよ」
「いくつくらいのマスターだったんだい?」
興味深げにゴリさんが尋ねる。
「はっきりとは知らないが、60後半くらいじゃなかったかな」
「で、その後はどうなったんですか?」
今度は尚樹が吉永さんに聞いた。
「新しい店主でまたバーができたんだけどね、長くておもしろい名前だったと思う。そこの店もけっこう流行っているみたいよ」
ムーンライト。それがあの人の店なんだ。
間違いないだろう。別の店に代わってしまっているのなら、もう歴史の一片を見ることはできない。
あの人のシェイカーを振る姿を見てみたかったな、と、手にしたシェイカーに思いをはせた。
「ところでなんで急にそんな古い話を出してきたんだい?」
「え?ああ、初めてきたお客さんがそんな話をしていたんで。俺知らなかったんで、ちょっと聞いてみたんです」
尚樹の言い訳を吉永さんもすんなりと受け入れ、自分の連れとの会話を再開させた。
「ではゴリさん、今日はうんと高い酒、飲んでもらってかまわないですよ。何にします?」
「ん?それって、倍返しをうまく利用しようとしてるな?あーやだやだ!どんだけ儲けようっていうんだよ」
尚樹とゴリさん、二人の間に笑いの渦が大きく沸き起こる。それでも店のにぎやかさには敵わないのだが。
「いくつくらいのマスターだったんだい?」
興味深げにゴリさんが尋ねる。
「はっきりとは知らないが、60後半くらいじゃなかったかな」
「で、その後はどうなったんですか?」
今度は尚樹が吉永さんに聞いた。
「新しい店主でまたバーができたんだけどね、長くておもしろい名前だったと思う。そこの店もけっこう流行っているみたいよ」
ムーンライト。それがあの人の店なんだ。
間違いないだろう。別の店に代わってしまっているのなら、もう歴史の一片を見ることはできない。
あの人のシェイカーを振る姿を見てみたかったな、と、手にしたシェイカーに思いをはせた。
「ところでなんで急にそんな古い話を出してきたんだい?」
「え?ああ、初めてきたお客さんがそんな話をしていたんで。俺知らなかったんで、ちょっと聞いてみたんです」
尚樹の言い訳を吉永さんもすんなりと受け入れ、自分の連れとの会話を再開させた。
「ではゴリさん、今日はうんと高い酒、飲んでもらってかまわないですよ。何にします?」
「ん?それって、倍返しをうまく利用しようとしてるな?あーやだやだ!どんだけ儲けようっていうんだよ」
尚樹とゴリさん、二人の間に笑いの渦が大きく沸き起こる。それでも店のにぎやかさには敵わないのだが。