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闇に蠢くツチノコ
第2章 幹事がいない同窓会
「ケイタ、、あまり自分を責めるな」
マスコミ報道もようやく鎮火した頃、僕ら四人は久しぶりに会っていた。
「別に、ただ俺はクソだった、、それだけさ」
ケイタはジョッキをぐいっと飲み干す。
「仕方ないさ。人間なんてのはどうしようもない目の前の真実に逆算してどうにか納得させるもんなんだよ。確かに、真実は違った。ただこのご時世、誰にだって闇はあるさ」
「フン!やっぱお前には才能はねぇな。この三文役者が!」
ケイタはシュンを睨みつける。
「何だと?」
「ケッ!誰にでも闇はある?確かに近頃の映画にそんな台詞は腐るほどあるよな。でもよ、一級品の役者ってのはその闇に目を凝らして、その心情ってのを察してその台詞をさ、、役の気持ちを伝えるんじゃねぇのか?悪いが今の台詞じゃ俺には全く伝わらねぇよ」
「、、、、」
ケイタは更に吐き出す。
「心の闇?まるで言葉足らずの連中のいい理由だよな!誤魔化すんじゃねぇよ!まるで火の粉を浴びるのにビビッた連中の、、」
「カーテンか?」
カツがフォローする。
「そうだ!カーテンじゃねぇか!」
僕らは言葉を失くした。
「悪いが俺にはねぇよ。闇なんてクソ以下だ!くだらねぇ!闇なら寝るまで!朝が来るまで寝るだけだ!」
「悔しいが、、説得力はあるな」
シュンは振り上げた拳を下ろし笑っている。
「俺は自殺なんかしねぇぜ!事故っても死なねぇ!マジ不死身だ!だけど、、もしだ、もし俺に何かあったらそんな事絶対ない!と警察へ駆け込めよ!関ちゃん、、いや!俺が浮かばれねぇからな!俺はさ、俺は!もしお前らに何かあったら必ず言ってやるよ。あいつは殺したって死ぬようなタマじゃねぇってな!そうだよな?」
「、、、、」
「ったく!くだらねぇ、、もう帰るわ」
立ち上がったケイタは最後に笑った。
そう、これが最後だった。
あの日以来、僕らは会っていなかった。