パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第15章 シアタールーム（A）

館内にブザーが鳴り響くと照明はさらに落とされて、マルチスピーカーからナレーションが流れます。

「皆さま、大宇宙の旅へようこそいらっしゃいました。これから皆さまは、時空を超えてのタイムトラベルでございます」

照明が消えて劇場内が暗黒の闇に包まれたかと思ったら、パノラマスクリーンに一瞬の光輝が走り、再びの闇に落とされ、ナレーションの声が響き渡ります。
そしてなぜか、エマニエル夫人のテーマ曲が流れます。

「みなさま、時代は2050年です。世界は永遠の平和を取り戻し、空も海も陸も国境がなくなりました。消防車や霊柩車が空を飛び、レジャー用の潜水艦やヨットが太平洋を自由に航行しています」

パノラマスクリーンには未来のCG画像が映写されます。
1,000階建てマンションの窓からは、人種差別のない子供たちの笑顔があふれています。

「サラリーマンでもキャバ嬢でも公務員でも専業主婦でも、人々はロケットを自由にレンタルして、誰もが気楽に宇宙旅行ができるようになりました。宇宙空間はもう、隣の家の庭先のようなものなのです。どうぞ、みなさまも、スクリーンの中で大宇宙の旅をお楽しみください」

パノラマスクリーンには、ロケットの打ち上げ基地の全景が映し出されます。