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<インランランドで淫乱体験>「私んちは淫乱家族」―続編の2
第18章 シアタールーム(B)

売り子たちが場内から消え去ると、ホワッと照明が落ちて館内のアナウンスが流れます。
「皆さま、立体4Dシアターへようこそいらっしゃいました。当館内は間もなく凄まじい嵐と竜巻に見舞われますが、どうかご安心ください。皆さまのお席は安全地帯となっておりますので……」
アナウンスが途切れて、立体画像が投影されます。
目の前の巨大な円形舞台には、漆黒の空と大海原が浮かび上がり、グルグルと景色が流れ動きます。
「さあ、皆さま、舞台はカリブ海の洋上です。カリブの海賊船が暴風雨に巻き込まれて座礁して、マングローブのジャングルに覆われた無人島に漂着するのですが……」
不安をあおる声音でアナウンスは続きます。
「はたして漂着した島は、本当に無人島なのでしょうか……? 野蛮な人食い人種や吸血鬼が住んで、怖ろしい王国を築き上げているのではないでしょうか? それとも妖しい仙女が現れて、海賊たちを魅惑してたぶらかして食べるのでしょうか?」
会場から、期待と不安のため息が漏れて入り混じります。
「どうか皆さま、海賊たちの数奇な運命を、ご一緒にお楽しみください」

