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<インランランドで淫乱体験>「私んちは淫乱家族」―続編の2
第18章 シアタールーム(B)

海賊たちは嵐の中を海に飛び込み、荒波にもまれながら島を目指して必死に泳ぐのですが、海は逆巻き荒れ狂い、島から遠ざかっていくばかりです。
やがて海賊たちは力尽きて、渦巻きに呑まれてブクブクと、海の底へと沈んでいきます。
漆黒の海が悪鬼と化して、海賊船をほふっているのです。
突然、舞台は晴れ渡ります。
昨夜の嵐が嘘のように、空も海も鏡のように青く輝いているのです。
深い眠りから覚めるように、海賊船の船長は静かに意識を取り戻した。
ぼんやりした頭で周囲を見渡すと、砂浜も無ければ難破した船も無い。
そこは熱帯の島のジャングルの中です。
ところがよく見ると、尋常な島の風景ではないのです。
信じがたいほど決定的に、異常な光景なのです。
何が異常かというと……、
ジャングルの樹木の間を飛び回っているのは猿や鳥ではなくて、熱帯魚やサメやマグロや亀が泳いでいるのです。

