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雪エルフのメイドはホムンクルス執事と
第1章 「居眠り」執事殿と悪戯メイド
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「怖くはないさ。父の古い友人だからね」

幼きころ、ドワーフ準男爵騎士の義父から異父弟のユーリと連れられて初めて面会した「彼」は黒檀の安楽椅子に腰掛けて「居眠り」していた。
それは家の地下にある、特別室。彼のための居室で、たぶん生前の道具類を集めた小さな書斎。書架にはずいぶん昔の書籍が並べられ、衣装戸棚には一通りの衣服が古いものと新しいものと揃っていた。傍らと壁には愛用の刀剣や古いボウガンなども置かれている。

「ゾンビじゃないの? 死霊術の」

「ホムンクルスよ。もっと高級な」

まだ少し怖がっていたユーリに、姉として目配せして教えてやることにする。
学校の見学で知っていたからだ。死霊術で一般的に十把一絡げに使役される低級なゾンビのような屍臭や腐敗臭はしない。類似でこそあるが、もっと高級な魔法技術だ。たとえ同じようなことでも、もっと手間や資金と労力をかけて制作される人工生命体は「ホムンクルス」と呼ばれる。
しかも、おそらく「人間を素体にした」のだろう。執事風のコスチュームを着せられているが、箪笥には古い騎士の服もある。理由は「物々しい」からで、今の格好は彼の要望やジョークに忠実に従ったものらしい。

「こちらが息子のユーリと、義理の娘のキアラです」

義父は畏敬を感じているような態度で、恭しげに二人の子供を紹介したものだ。彼は父(ユーリの祖父)が語り聞かせた思い出と物語の中では英雄みたいなもので、一家の客人であって守り本尊ですらあるから。

(どんな人だったんだろ?)

キアラが興味を持ちだしたのはそれからだった。
かつて話だけ聞いたときには少し不気味に思って怖がってもいたのだけれども、実物を見てすぐに気が変わったのだ。生けるがごとく、それになかなか美男子のようだったし、黒髪に暗色の執事服も似合っていた。
それからよく夢に出て、「初恋かもしれない」などと摩訶不思議な気持ちになったものだ。普通に考えれば不条理で変態チックとは自分でも思いつつ、「他の誰のものでもない彼」のことで満足感を味わっていたのかもしれない。
だからキアラが「メイド」になりたいなどと思った遠因は、たぶん彼がきっかけの一つだろう。
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