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雪エルフのメイドはホムンクルス執事と
第1章 「居眠り」執事殿と悪戯メイド
2
あえて「メイド」という公式なポジションを求めたのは、キアラが十三歳の誕生日のことだった。

「プレゼントに欲しいものはあるかい?」

「義父さん、私、メイドになりたい!」

「は? メイド? どこかに奉公したいとでも? まだ若すぎるし、まさかおかしな男に騙されたんじゃ? 悪いことは言わないから、アルバイトだったらもう少し手頃な」

「ううん。うちの家のメイド」

義父からは可愛がられたものの、流石に母の連れ子というだけの立場が自分でも気になっていた。「公式なポジション」が欲しかったのだ。
それに、ドワーフ族やエルフ族の社会習俗では、若い青年や娘が知人・親族の高名な者や金持ち・有力者の家で修業や人脈と給金アルバイトのために書生・従士・徒弟やメイド・侍女としての名目出入りするのは珍しくない。余裕がある者に訓練・高等教育や養育負担の一部を分散し、結束を強める慣習的なシステム。
ドワーフと雪エルフの両親は数日後、「自立心や自尊心の表れ」とみなして、とりあえず許可してくれた。


3
晴れて「認可された三等メイド」になっても、どのみちにやることはあまり変わらない。しょせんは花嫁修業の一貫でもある。
こぢんまりした屋敷は普通の民家に毛が生えた程度のものだったし、少しばかり名誉や格があるとはいえ、中流の庶民とあまり変わらない。特に住み込みの使用人がいるでもなく、たまに付き合いを兼ねて、暇の老女性のアルバイトに手伝いを頼むくらいのものでしかない。料理や手仕事も母と彼女がだいたいやる。

「奥様、こちらの魚をいかがしましょう」

「そうねえ。煮込みにしましょう」

母と娘の「ままごと」遊びとコミュニケーションを、弟と父親は面白そうに眺めていた。

「よし、可愛いメイドさんにキスでもしてやれ」

「あら。小さな息子にまでろくでもないことを教えて。包丁が滑りますわよ。愚かなのはご自分だけになさいませ」

「私は紳士だよ。この子らはキスくらい普段からだろ?」

「だって、私の初々しい若いのが増えたみたいだとか、ほざいてらしたじゃあないの」

雪エルフの母は人間なんかよりは肉体の老化が遅いものの、やはり生活と経験で「年齢が態度に出る」らしい(ドワーフも同じだが)。義父は一番初々しい時期の母を知らないので、娘を見て「あんなふうだったろう」とたまに口惜しげなのだ。
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