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人生逆転した男
第1章 人生逆転した男
木原誠二は都内の大手ソフトウェア会社に努めていた。
大学卒業後、入社以来総務部で働いている。
今年で35歳になる。
社会人になってから13年一度も浮いた話がなかった。
それどころか学生時代に遡っても女性と付き合った事がない。
所謂彼女いない歴=年齢だ。
まず、見た目が良くない事は自分でもわかっていた。
そしてその見た目の悪さでは自分から積極的にアプローチする事さえ苛まれた。
自分に自身を持つことさえ難しかったのだ。
社会人になればそれなりに出会いがあり、いずれ周りと同じく結婚するのだろうと思っていた。
だが、社会人になってから13年たっても出会いの欠片さえ訪れなかった。
待ちの姿勢では何にもやってこないことにようやく気づいたのが32、3になってからだった。
気づいた頃には恋愛経験もなくすっかり老け込んでしまっている見た目が悪い男がただそこにいるだけであった。
今更焦っても何もできないという虚無感に覆われていた。
自分がいなくてもこの世界には何も影響がないのだ。
給料は大手の会社なので、それなりに昇給していった。
使い道もなく、貯金も貯まる一方だった。
使うアテのない金を将来化けるかもしれないとネット上で噂されていた仮想通貨をある程度の額まとめて買い集めていた。
最悪無くなっても困らないと思っていた。
どうせこのまま独身なら貯まっていく一方だ。
数年後にその仮想通貨が爆発的に膨れ上がる事になる。
大学卒業後、入社以来総務部で働いている。
今年で35歳になる。
社会人になってから13年一度も浮いた話がなかった。
それどころか学生時代に遡っても女性と付き合った事がない。
所謂彼女いない歴=年齢だ。
まず、見た目が良くない事は自分でもわかっていた。
そしてその見た目の悪さでは自分から積極的にアプローチする事さえ苛まれた。
自分に自身を持つことさえ難しかったのだ。
社会人になればそれなりに出会いがあり、いずれ周りと同じく結婚するのだろうと思っていた。
だが、社会人になってから13年たっても出会いの欠片さえ訪れなかった。
待ちの姿勢では何にもやってこないことにようやく気づいたのが32、3になってからだった。
気づいた頃には恋愛経験もなくすっかり老け込んでしまっている見た目が悪い男がただそこにいるだけであった。
今更焦っても何もできないという虚無感に覆われていた。
自分がいなくてもこの世界には何も影響がないのだ。
給料は大手の会社なので、それなりに昇給していった。
使い道もなく、貯金も貯まる一方だった。
使うアテのない金を将来化けるかもしれないとネット上で噂されていた仮想通貨をある程度の額まとめて買い集めていた。
最悪無くなっても困らないと思っていた。
どうせこのまま独身なら貯まっていく一方だ。
数年後にその仮想通貨が爆発的に膨れ上がる事になる。