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最初の女
第6章 最高のひと
沙織と過ごしたその翌朝、ユカからこれから地元に帰るから途中で会いに行くと言う電話があった。
「彼女から?」
「うん」躊躇いながらうなづくしかなかった。
「大事にしてあげてね、彼女のこと。あんなことしといて言えた義理じゃないけど。」
沙織と僕はまだ裸のまま布団にいた。
「手切金、じゃないけど、彼女がくる前にもう一回抱いて。」
沙織が舌を絡ませてくる。僕は躊躇うことなく、もう一度沙織を抱いた。
自分でも淫乱なやつ、と思いながら、湧き上がる欲情を抑えられなかった。
そしてお昼過ぎ、彼女は微笑みながら、またね、と言って帰っていった。


僕はユカがいながら二人の女と浮気をしてしまった。
でも、僕は既にユカあの少し淫乱な、性欲剥き出しのセックスでなければもう満足できなくなっていた。
結局、自分のテクニック云々というより、体の相性なんだということに気づいたし、仮に相性が良くても、
気持ちがなければただの行為なんだ、ということに気付かされた。

ユカに会いたい。

夕方、ユカが下宿に立ち寄ってくれた。
空っぽの冷蔵庫に呆れながらも、限られた材料と調味料でユカは美味しい夕食を作ってくれた。
そして、夜は二人で銭湯に入り、帰りにはコンビニでアイスクリームを買って二人で食べた。
幸せな時間だった。
そしてその夜は、ユカと激しく求め合った。
浮気をしてしまったことを後悔して、僕はユカを抱きしめて少し泣いた。

許されないだろうけど、僕はこの人をずっと愛し続けようと決めた。

FIN
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