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私と"影"
第3章 戸惑う心
「大丈夫なら‥‥‥名前の話に戻るけど、考えた?」

「こ、こんな一瞬で考えられないよ‥‥‥」


"影"は大きな溜息をつくと、私をジッと見つめた


「まだまだ足りない」

「えっ‥‥‥?何が?」


私の質問には答えず彼はしばらく沈黙した後、形を細部まで変え始めた
相変わらず真っ黒で顔は丸のままだったけれど、肩や腕、指、それに足はちゃんと人の形になっていた

"影"は私に手を伸ばし、手のひらを上に向けた


「ここに君の手をのせて」


私は不思議に思いながらもゆっくりと自分の手を重ねると、"影"の手は私の手を包みこんだ
けれど感触は‥‥‥何もなかった


「目を閉じて僕の姿を想像して」

「姿?」

「僕がいなかった間、僕の姿や声や顔とか色々、想像してたでしょ?それをやってみて」


なぜ急にこんなことさせるのかよく分からなかったけれど、きっと何か意味があるんだと思った


「‥‥‥‥うん」



私は目を閉じて想像した



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