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第3章 戸惑う心

"影"は気が付いていたんだ
私が"影"の存在をただ淋しいから利用しているだけだって……
私が最低な人間だって……それなのに、それなのにどうして


「"影"‥‥‥‥っ」


今の私には謝ることしか出来ないと思った
「ごめんね」と何度も何度も言いながら、私も影を抱き締めた


「僕はただ精一杯、君の傍で君と生きたい‥‥‥生きたいんだ。我儘ばかり言ってごめん…困らせてばかりでごめん……」


消えそうな声でそう何度も言った
"影"の震える肩を強く抱き締めながら、私は何度も首を振った




この時やっと気が付いたんだ
"影"から最初に言われた言葉の意味を


ーー‥‥‥僕の存在は君が思うよりも君を困らせると思う‥‥そして苦しませるかもしれない

ーー‥そのうち分かるよ‥‥それに僕の我儘が君を傷付けるかもしれない。それでも‥‥君の傍にいたい。僕の傍にいて欲しい