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私と"影"
第4章 "影"の想い
「あれ?え?な、なんで……?」





私は目を擦り、何度も瞬きをした
"影"をよく見ると透けていて、宙に浮いているように見えた



「……"影"?」

「なに?」

「しゃ、喋った!?」

「……失礼だね、口があるんだから喋るよ」

「だって、夢の中じゃないんだよ!?どうして見えるの!?」



興奮気味に大きな声を発した私の傍を、ちょうど通りかかった人が怪訝そうな顔でこっちを見ていることに気が付いた

もしかしてと思い、その人が通り過ぎるのを待ち、周りに人がいないことを確認してから小さな声で"影"に尋ねた



「…もしかして見えてるのって、私だけ?」



"影"は呆れたように大きくため息をついて「当たり前でしょ」と答えた後、ゆっくりと地面に足を付き、歩きだした




「そろそろ帰らない?ここで話を続けると、君、頭おかしい人だと思われるよ」

「あ…う、うん…」



私は急いで後を追い、"影"の隣に並んで歩いた

ちらっと"影"を見ると、透けているけど普通に歩いている
すごく不思議な気分がした



こうして並んで歩けるなんて、想像していなかった



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