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透明なリーシュに結ばれて
第1章 始まり
「俺たちさ、戦略を間違えている気がするんだ」
「どういうこと?」
 権藤が山名にそう訊ねた。
「所詮サーフィンはサーフィンさ。女はサーフィンが上手いやつに恋をする」
「それで?」
「俺とお前、つまり俺と権藤は不利なんだよ。この状況で得するやつは翔だけだ。スポーツ推薦で大学に上手く潜り込めた翔だけが女をさらっていく。だからサーフィンは今日で止めることにする」
「なるほど」
 権藤はそう言って頷いた。
 テイクオフできたのは僕だけで、山名と権藤はずっとパドリングをしながらボードにしがみついていたのだ。
「何がなるほどだよ。俺は付属高校から苦労無しで大学に入ったお前らとは違う。俺は正々堂々と受験をして大学に入った。残念ながら合格した大学が一つだけで、それがお前らと同じ大学だったんだ。俺の前には大学に続く都合のいいエスカレーターがなかったんだ」
「そうなのか? 翔はスポーツ推薦じゃないのか?」
 権藤は驚いた顔を僕に向けた。
「俺がいつスポーツ推薦で大学に入ったと言った? そんなこと俺はお前らに一言も言ってない」
「マジで?」
 山名も僕の方を見てそう言った。
「ああ、俺は正真正銘の受験組だ。俺はお前らが羨ましいよ。お前ら悩みなんてないだろ?」
 僕と山名と権藤はウエットスーツを着たまま、山名を真ん中にして三人並んで砂浜に座り、夕陽の沈む湘南の海を眺めている。トレンディードラマ(少し古い言い方だが)なら絶対にこのシーンは使わない。夕陽を浴びる男三人は絵にならない。まぁ脚本家もこんな場面を書くとは思わないが。
「それにしても翔はスノボも上手いし、サーフィンだって初めてなのにボードに立つことができた。女にはもてないがスポーツだけは才能あるな」
「小学校から高校まで体育はいつも五だった」
「すげぇな」
 山名と権藤は二人同時にそう言った。
「俺も山名と同じ意見だ。スポーツが出来ても女にはもてない。つまりこのままでは俺たちに彼女なんてできない。楽しい大学生活をこのくそ野郎三人組で過ごさなければいけないということだ。それから山名と権藤、お前ら二人は俺を裏切った」
「裏切った? 俺と権藤が翔を?」
「ああ」
 僕は山名を睨んだ。

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