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透明なリーシュに結ばれて
第10章 瓦解のとき
 二回目の射精を済ますと、僕は下田をバックからはめた。もちろん下田はワンピースを着たまま(スカートだけ捲り上げて)、僕はTシャツを着たままで下田のま×こを突いた。
 着衣のまま、なんだかそれはとても人間的な行為だ。人間にしかできない交わり方。下田の背中に体を被せる。いつもなら下田の背中を舐めるところだが、僕は下田の背中に鼻をつけて思い切り下田の匂いを嗅いだ。ワンピースを通って伝わる下田の匂い。僕はワンピースの上から下田の小さな乳房を揉んだ。揉みながら腰を振る。人間的でありながら動物的な生殖行為。僕は興奮した。おそらく下田も興奮していることだと思う。時間が経つにつれ僕の肉棒に纏わりつく下田の女汁が多くなった。
「いいま×こだ」
「……」
 いつものように(こればかりはどうすることもできない)射精のときが近づいてきた。
「出る!」
 僕はそう叫んでバックスタイルのまま下田の膣中に精子たちを放出した。
 下田の背中の上で放心状態の僕。
「ねぇ坂口君、今日はこれで終わりにして。本当に時間がないのよ」
「……はい。でもまた会ってくれますよね」
 下田に未練は残る。でもここは引き下がるべきだと僕は思った。
「わかってるわ。約束する」
 下田の約束を信じるしかない。
 下田は一人でシャワーを浴びたいと言った。僕のその条件を飲む代わりに、僕の肉棒のお掃除フェラを下田に頼んだ。下田は少しだけ逡巡したが、僕の肉棒を咥えて自分のお汁を舐めて飲み込んだ。言うまでもないが僕は下田の口の中に新しい精液を放流した。残念ながら下田は口の中に含んだ僕の精液をティッシュに出した。
 下田は僕のティッシュをゴミ箱の中に捨てると、バスルームに向かった。僕はシャワーを浴びずにこのまま帰るつもりだ。肉棒に残る下田の温もりとTシャツにしみ込んだ下田の香りを僕は持ち帰りたい。
 思いのほか下田は早くバスルームから出てきた。それは下田には本当に時間がないということと、ソープを体中に今つけるわけにはいかないのだ。下田の夫も間抜けではないだろう。一日学校にいた女が石鹸の匂いをまとっているはずがない。
 二人で連れ込み宿を出た。幸いなことに僕と下田は週刊誌から追われるような大物ではない。手こそ繋がなかったが、僕と下田は体を合わせて歩いた。
 でも僕には、下田と一緒に歩いていた男のことを訊ねることは出来なかった。
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