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幼なじみのフヒト君
第2章 夜のお散歩
その時の常盤夫婦の表情は、今も忘れられない。
それからは、嫌なことがあると“夜のお散歩”と称して私達は夜道を歩く。
もちろん、わたしは両親に言って外に出る。
「外で待ってるね。」
不日人はニッコリすると、部屋の窓を閉めた。
最近、あんまりお散歩無かったのに…
そう不安に思いながら、部屋から出た。
「お待たせ。」
不日人を見つけて、笑顔をつくる。
「行こう」
不日人は当たり前のように手を繋ぎ、歩きだした。
少し行くと公園がある。
街灯に照らされたベンチに座る。
不日人は真っ直ぐ前を見たまま黙っていた。
不安がわたしの中で、蠢く。
「ふひと…」
声が掠れた。
「…抑えきれないんだ。」
ぽつりと呟く。
「え?」
「興味があると、どうしても抑えきれない。」
「うん。」
今さらどうしたというのだろう。
「…気持ち悪い?」
ドキッとするぐらい暗い声。