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幼なじみのフヒト君
第4章 カラオケで

―ありがとう、咲。

優花はドキドキしながらも、心の中で咲に感謝していた。

「あいつら遅いね。」

歌い終わった聖先輩が、ポツリという。

「あ、なんか結構酔ってたみたいだからじゃないかな?」

慌てて立ち上がろうとする聖先輩の腕を掴んだ。

「ん?」

そこで聖は気付いた。
ははぁん。

ニヤリとすると、わざと知らない振りをして何気なく優花の隣に座り直す。

「そっか、咲、いつもより飲んだのかな。」

そう言うと、じっと優花を見つめた。
みるみる赤くなる優花に確信しそっと肩に腕を回した。

「じゃあ、暫くは戻ってこないな。」

「あ、あ、あ、あの…」

あたふたしている優花の髪にそっと鼻を埋める。

「…先輩…。」

うっとりした声が聞こえた。

「優花。俺の事好きだろ?」

優花は耳元で囁かれ、ドキリとする。

「あ…」

首筋に聖の息がかかり、思わず甘い声が漏れてしまった。

「可愛い声だね。」

そう言うと肩に回っていた腕が優花の腰を抱き寄せた。

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