この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛してるなんていらない
第10章 失踪
「お母さんが..いなくなったって..」
「!?け、けど咲のお母さんて...」
「何もわかってないのに..どうしよ、百合!」
涙をこらえる肩が震える。
「..とりあえず今すぐ行きな!私も付いていこうか?」
「....っ....」
「..一緒にいくから。今すぐ行こう。」
百合はそう言うと私の手を引いて 店を出た。
切符を買い、そのまま新幹線に乗る。
駅につくまで私はずっと百合の手を握っていた。
不安になって手を強く握るたび、
「大丈夫だから..」と抱き寄せてくれる。
「ありがとう..」
私の住む町から田舎まで3時間はかかる。
(その間にどうか見つかって..!)
心の中で何度も思った。