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愛してるなんていらない
第11章 親子

「お母さん、どこに、いるのよ..!」

少し疲れて歩くと、私は涙を拭い、また走りだす。

田んぼ道が懐かしかった。



高校3年の時、母が不審なことを言うようになった。

『ただいまーお母さん、今度の文化祭..』
玄関で出迎える母は、私を見ると後ずさった。

『あなた....どちら様?』

『え...お母さん..?』

『....あら、咲、おかえりなさい!』

『お母さん?』

『なに?』

笑って聞く母に、私は何だ冗談か~と苦笑すると、

『何が?』

と惚けられた。

『もう..あ、それより文化祭でうちのクラス模擬店やるんだけど、各自一つ雑巾いるの。』

『わかったわ、じゃあ縫っておくわね。』
そういうと、キッチンに戻っていった。
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