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愛してるなんていらない
第11章 親子

記憶が止まっている。

そのことに私は一つ思いついた。

(もしかして...あそこに..でも..歩いていける距離じゃないし....)

「行ってみないと..」

大通りに出てると運良くタクシーを拾えた。

行き先を伝え、すぐに向かう。

車を降りると、少しの間待って貰うようにいい、私は人のいない、真っ黒な建物に入った。

「..お母さん..?」

呼んでみるが返事はない。

見渡してみるとごそっと影が動いた。

雲が流れ月明かりが壊れ欠けた窓から差込んできて、店内を照らした。

「..おかあさん..」

そこにはイスに座りこむ母がいた。

「....ママ..?」

そういうと、ゆっくりとこちらを見て笑った。

「雅之さん....待ってた..」

「....」

母は私をみて父の名前を呼んだ。

「ママ..咲だよ..」

そういって近づいていくと、目を見開いた。

「咲....?咲なの....?」

「うん。」

私が泣きながら答えると、手を伸ばしてきた。

しゃがんで目線合わせると、頬に触れ、ゆっくりなでた。

「咲....会いたかった..大きくなったわねぇ....」

「....」

「あなた雅之さんとそっくりだから、ママ間違えちゃった..」

ふふっと微笑む。私の大好きな笑顔だった。
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