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愛してるなんていらない
第11章 親子
「ここよくきたわねぇ..パパがいて、咲がいて..いっつも唐揚げ頼んで..
でもやっぱりママのが一番好きって、言ってくれるのがすっごく嬉しくて....
いつの間にこんなことになったのかしら?」
荒れ果てた無人の店をゆっくり見渡して、母が首を傾げた。
「うん....」
私が大学一年になったとき、ここのご主人が亡くなって閉店した。
こんな田舎で誰も買い手がなくて、小学生の格好の遊び場になっていた。
少しして母が私を見ると、
「....ごめんねぇ咲....」
「え....?」
母はポツリといって私に頭を下げた。
「....」