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愛してるなんていらない
第11章 親子
「ママが...騙されちゃって..あなたを叩いたりしちゃって...私のせいであんな風に言わせちゃって..」
「なんのこと..」
「“男なんて信用できない。私がママを守る”って....」
「...そんなの..ママのせいじゃない..あいつのせいだよ...」
母は頭を横に振った。
「でもね..パパみたいな人と絶対出会えるから。咲だって絶対会えるから。ずっとそれを伝えたくて..やっといえた..」
「うん..うん、わかってる。だから早く帰ろう。」
私は涙をこらえながら、そういって母を立たせた。
「そうね、早く帰って、咲の大好きな唐揚げでも作ろうかしら。」
「うん。早く食べたいな..」
嬉しそうに笑う母と手を繋ぐと、店を出た。
タクシーの中で疲れたのか、母はすぐに眠った。
叔父と百合に電話をかけ、見つかったことを知らせる。
家につくと、慌てて近所の人たちも出てきて、母は背負われて家に入っていった。
お礼をいい、みんなが帰っていくと
私は百合と叔父に頭を下げた。