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愛してるなんていらない
第12章 初恋

母より年下で甘やかしていたのもあるが、母は浩太に心底惚れていたのだ。

だからある時から、お金を少し貸してくれと言い出しても、母はパートを増やしてまで貸していた。

「ねぇ、もうやめて就職したら..私たち結婚...するわよね...」

「うるさいなぁ美智子は。結婚するために今金作ろうと頑張ってんの。」

母がたしなめる度にそう言っていた。

「咲、お母さんパート増やしたから..」

「また!?お母さん、いい加減にしないと、身体壊すよ..私が浩ちゃんに言うよ..」

「いいから。咲は高校入ったばっかなんだし、勉強頑張りな。」

「....」

それから母は朝方に帰ってくるようになった。

化粧は落としているが、明らかに夜の仕事をしていると分かった。

そして高2の終わりのあの日。

私と母が少しずつ積み上げたものが

全て壊れた。
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