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愛してるなんていらない
第14章 迷走
「じゃあまたね。空いたら連絡する。」
そういって軽くキスをすると、洋一さんは踵を返した。
「....」
それをいつものように黙って見送る。
私の家に上がったのは、出会ったあの日と一回だけだった。
「..っ..」
私は走って彼に追いつくと後ろから抱きついた。
「うわっ!..え、咲ちゃん?どうしたの?」
優しく手をはがし、振り向くと顔を覗きこんだ。
(はしたないと思われるかな...)
そう思いながら止められなかった。
「洋一さん...上がっていかない..?」
彼は目を少し見開いて
「....うん。」 と答えた。