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愛してるなんていらない
第18章 素直

「放して!誰か!助けて!」

声を振り絞るが誰も来ない。

(お願い、誰か..!!)

必死に足を踏ん張り、腕を抜こうとしてもビクともしなかった。

車いす用の広い個室に私を押し込むと鍵を閉める。

「やっ!やだ!何するんですか!」

腕が解放され、ドアに駆け寄ろうとしても、男が立ちはだかる。

「へへっ..」

男は舌なめずりすると、じりじりにじり寄ってきた。

少しずつ後ずさると背中に壁を感じる。

....私はとうとう逃げ場がなくなった。

「....怖い?」

「....っ..」

「可愛いね、お姉さん..俺さ、ずっと見てたんだよねぇ..草むらで..サッカーしてるお姉さん..キョロキョロしてるお姉さん..見ながら..イっちゃったよぉ..」


息を荒くしながら、全身を舐めるように見られ、鳥肌が立った。

「まさか、あの後帰ってくるなんて..運命だね、きっと....」

「ひっ....」

(やばい!こいつ頭おかしい....!)

そして両手首をつかまれ、引きずり倒された。

男は私を床に押し付け、片手で両手首を掴んで持ち上げる。

「いや!お願い、誰か..!」

助けを呼ぼうと声を上げると、焦った男が口をもう片方の手で塞いだ。

「おっと..危ないなーお姉さん。やめてよ。俺捕まりたくないし。」

そういうと、口を塞いでいた手でポケットからカッターを取り出した。

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